発破技士の実技講習を受けてきました。
感想としては、デジカメを持ってなかったことをめちゃくちゃ後悔しています。大迫力ですごかったので、撮影したかった。
雷管がスマホの電磁波で反応する恐れがあるので、スマホは電源OFFで場内利用禁止です。財布にお金を入れてきていれば、前日に八王子のヨドバシカメラでデジカメ買っても良かったのですが・・・。夜勤明けで決断力落ちてたとしか言いようがない。
当日快晴で撮影日和だったのが逆にショックでした。はー、つらい。講習の1週間前に戻ってデジカメ用意したい。
2日間の日程で、1日目が座学、2日目の午前が実習と見学(3時間程度)、2日目の午後が前日分の続きと試験対策講習。
今回の発破場所は東京八王子市の採石場で、芳村石産株式会社の美山事業所。(回によって会場が違う。)講習会の主催は東京都火薬類保安協会。講師の方はカヤクジャパンと協会の先生。地方と違って比較的住宅街が近いので、騒音公害に配慮しながらの発破となります。
採石業・採石製造業 芳村石産株式会社
持ち物は受講案内に、作業服、ヘルメット、作業に適した靴、軍手とありますが、実際軍手は無くても困らなかったです。
特に必要なのはヘルメットで、これが無いと現場に入れないらしい。作業服は汚れても良い格好と言う感じでした。実際経験者の方が着ていたのは自衛隊の作業着で、工場で着る作業服とは違う路線の、火薬類・銃火器の取り扱いに適した格好と言う感じでした。高校時代の作業着着て行ったら暑くて熱中症になるかと思った。火を扱う作業着のない人は、下手にワークマンでポリエステルの作業着を買うより、綿100のTシャツ着て行った方がいいと思います。(化学繊維は火や熱に弱く、静電気を発生させるので。)靴は、安全靴と表記されていない点に注意です。採石場を歩くのに適した靴で、砂利や砂を水洗いできる、ブーツや採石場用ゴム靴、極端な話長靴みたいなやつで良かったみたいです。私は事前知識が無く、工場で履くような制電安全靴履いてきて失敗しました。つま先を保護する必要なんてないし、水洗いできない。
私は家が遠いので、1日目の夜はホテルに泊まりました。2日目は中央線が30分くらい遅れてましたが、電車が遅延しようが何だろうが、8時40分には採石場に行くチャーターバスを出発させます。バスに間に合わなかった人は自腹でタクシーになります。料金サイトで検索すると、八王子駅から5200円くらい。
私の泊まったホテルは高い割に設備が古く、普通にビジネスホテルにすればよかったかなーと言う感じでした。となりの部屋のいびきと目覚ましの音が普通に聞こえました。今回はデジカメを用意できなかったし、サイゼリヤのアロスティチーニは欠品してたし、踏んだり蹴ったりです。台風が来なかったことはめちゃくちゃラッキーでしたが。
採石場はとても広く、東京じゃ基本見ないようなサイズのダンプカーやショベルカーが走っていました。普通に仕事をしている横で発破をするイメージ。(ちゃんと距離あるけど。)
実習内容は、4つ。①導火線に火をつけて、燃える時間を測って正しく使えるか確認する、②電気雷管を結線し発破さる、導火管付き雷管を結線し発破させる、③DS電気雷管を発破する、④導爆線を発破させるの4つで、実習後は実際に⑤ANFO爆薬による盤下発破の様子を見学しました。
①導火線の燃焼秒時の実測。導火線は、早く燃えすぎても遅く燃えても困るので、50㎝測って、燃える時間を計測します。映画の導火線と違って、本物の導火線は今どの辺が燃えているのか、見た目ではわかりません。そこで、60㎝の導火線の両端5センチのところに孔をあけておきます。こうすることで、穴の開いたところを火が通ると、ボシュッと発煙して、そこを火が通ったとわかります。50㎝なので、実際にかかった秒数を2倍にして、1メートルあたりの燃焼時間を出して、正常な範囲内か調べます。点火の際には、ライターだとなかなかつかないので、TMライターと言う火工品を使って着火します。また、火が通った後は触るとやけどするほど熱く、火が通る前の導火線は熱くないです。
②次に、電気雷管を結線して発破しました。
実際に現場で雷管を使う場合は、爆薬に差し込むのですが、流石に実習では爆薬にセットはしないで雷管だけを発破してました。
導火管付き雷管は、プラスチックコネクターの部分も爆発します。今回はコネクターでつなげずに、雷管をビニールテープでチューブに巻いてつなげてました。雷管の破片がチューブを傷つける確率を下げるため、チューブはまっすぐ伸ばし、上に小石を乗せました。
発破全体の流れは、
雷管を木の板に立てる→雷管から出てる補助脚線を隣の班と結線する→
→導通確認をする(メーターの針がすぐ動く)→
→発破母線につなげる→目視で責任者が結線を確認する→
→みんなで30メートル離れてから抵抗検査する→
→母線の短絡をはずして発破器につなげる(横の白いボタンを押しながら差し込む)→
発破器 火薬関連商品 カヤク・ジャパン株式会社
(画像はイメージです。実際に使ったものとは別。)
無線で近くに人がいないか確認し、事務所に連絡する→サイレンを鳴らし、鍵をセットし、発破器をチャージする→5,4,3,2,1で発破する(安全ボタンを押しながら鍵を左回し)→発破後は速やかに鍵をはずし、母線をはずし、母線を短絡させる→責任者が安全を確認してから近づく。→使用済みの脚線などを回収する。
③DS雷管で、爆発するスピードをずらして発破しました。
白白(0秒)、白赤(0.25秒)、白緑(0.50秒)、白橙(0.75秒)。ずらすと言っても、電気雷管ほど正確な秒数で発破するわけではなく、最初の3つはほぼ同時に爆発したように見えて、最後の白橙だけ遅れたかな、と言う感じになります。
④導爆線の発破。導爆線は表面が赤で、断面がペンスリットで白いもので、雷管をビニールテープで巻いて発破します。ペンスリットはそのままだと自然分解するものの、導爆線に加工されているものは自然分解しないらしい。今回は騒音に配慮して、砂をかけて1班だけ先に発破し、大丈夫そうだったので残りの3班も発破させました。このとき、砂と一緒に小石をかけてしまうと飛び石になって危険なので、可能な限り砂だけ乗せます。雷管より音が大きく、地面がミミズ腫れみたいになりました。
⑤見学では、穿孔機による穿孔から、ANFO爆薬を流し入れて、雷管を入れて、結線し、発破する様子を見学しました。ものすごく揺れるし、その揺れで周囲の斜面からバラバラーっと小石が流れ落ちてくるのは圧巻でした。動画が取れなかったのが悔やまれる。
八王子工場 | 菱光石灰工業株式会社
5mの盤下げ発破で、親ダイが含水爆薬30mmΦ×100g、増ダイがANFO。今回は水が無かったので養生なしでそのまま穴に流し込んでました。1穴で75mmΦ、破壊できる範囲は高さ5m、縦横それぞれ2.5mなので、1穴31.25立米(=立方メートル)が掘れます。見学では10本も並べてませんが、これを10本1列に並べることでだいたい300立米、10列並べると3000立米の盤下げができます。
下の動画ほど大きい発破ではなかったのですが、一番イメージ的に近いのはこれです。
www.youtube.com
何度も受講してる人もいるし、機会があったら電波の出ない長時間録画できるデジカメを用意してまた受講したいけど・・・そうそう気軽に何度も受講するほど安い講習じゃないんだよなぁ~っ。
これから受講予定のある人向けにだいたいの予算。何も手元にない人は、デジカメ代を入れなくても7万円くらい用意しないと足りないと思います。
実技講習費 43,600円
作業着・靴・ヘルメット・軍手 1.5万~3万円
宿泊費6千~8千円
安全靴の支給をしました! | 南建設株式会社
↑(会社は違いますが、)靴はだいたいこんな感じのイメージです。
その他わからないことがあれば、素直に作業着メーカーや東京都火薬類保安協会に問い合わせた方が良いと思います。
以上、発破技士の実技講習でした。